
【OTセキュリティ】Dispel製品のブートキャンプ(勉強会)をレポート!
はじめに
昨今、製造業や重要インフラの現場では、設備のメンテナンスや遠隔操作において、より安全で効率的なリモートアクセスが求められています。
しかし、サイバー攻撃の脅威が増す中、これまで"安全な”リモートアクセス手段として利用されてきたVPNが、侵入経路として悪用されるケースが多くなってきています。
現場の安全を守りながら、業務効率を上げるには、セキュアな接続手段が必要です。
そのような課題を解決すべくテクマトリックスでは、「Dispel Secure Remote Access」というクラウド型のリモートアクセスソリューションを提供しています。
ゼロトラストの考え方をベースに、安全かつ高速な接続を実現するDispelは、欧米の製造業・政府機関・公益事業などで導入が進んでおり、年間42兆円規模の生産活動を保護してきた実績を持つ注目のサービスです。
今回は、Dispelの仕組みや導入メリットをより深く知っていただくために、パートナー&リセラー様向けのブートキャンプ(勉強会)を2日間開催しました!
この記事では、その内容を振り返りながら、参加者のリアルな声やOT環境におけるリモートアクセスの新しい選択肢としてのDispelの可能性をご紹介します。
Dispelとは?OT環境に特化した“次世代”リモートアクセス
OT環境におけるリモートアクセスは、単なる「つながる」だけでは不十分です。
セキュリティ、即応性、監査対応、そして現場の運用効率──これらすべてを同時に満たすには、従来のVPNや踏み台サーバでは限界があります。
Dispel Secure Remote Accessは、こうした課題に真正面から向き合い、OT環境に最適化されたゼロトラスト型のリモートアクセス基盤として設計されたクラウドサービスです。
Dispel製品の特長
1. 柔軟なアクセス制御
Dispelは、ユーザー、デバイス、プロトコル、時間ごとにアクセス制御が可能です。
申請・承認のワークフローも日本語UIで直感的に操作でき、「誰が・いつ・どこに・何をしたか」を明確に把握できます。
2. 30秒以内の高速接続
OT機器への接続はわずか30秒以内。一時的に構築される使い捨てVDIを活用し、セキュアかつ低遅延な作業環境を提供します。
3. 外部攻撃を回避する“動的防御”
IPアドレスやアクセスルートを定期的に変化させるMoving Target Defenseにより、攻撃者にとって“攻撃対象を特定しづらい”環境を構築。
ランサムウェアなどのサイバー攻撃を回避します。
4. 作業録画やログによる証跡管理
作業内容は録画によって記録され、ログはお使いのSIEMやSOCと連携する事も可能です。
監査対応やコンプライアンス報告もスムーズに行えます。
5. 多様な機器への対応、高いスケーラビリティ
65,000以上のTCP/IPプロトコルをサポートしており、特殊なプロトコルを利用するOT機器もリモートアクセスが可能です。ベンダーのオンボーディングも可能で、ユーザーやデバイスの利用拡大も容易です。
Dispelがもたらす価値
運用効率の向上:平均復旧時間(MTTR)を最大80%削減
サイバーレジリエンスの強化:静的な攻撃対象領域を排除し、監査対応を簡素化
生産性の最大化:リアルタイムのOTデータ活用により、パッチ適用やAI分析を加速
Dispelは、単なるリモートアクセスツールではなく、OT環境の安全性・効率性・柔軟性を支えるインフラとして機能します。
参照:
ブートキャンプ(勉強会)当日の概要&講演内容
当日は、製造業やインフラ分野に携わるパートナー&リセラー様の方々を中心に、Dispelの基本的な仕組みから、実際の活用シーン、他社製品との違いまで幅広くご紹介!
さらに参加者同士でチームを作り、ワークショップも実施しました!
参加者の皆様からも多くの質問や反響をいただき、非常に有意義な時間となりました。
※勉強会の開催概要と講演内容については以下の通りです
日時:
2025 年 6 月 4 日(水) 9:30 ~ 17:45 Business Enablement
2025 年 6 月 5 日(木) 10:30 ~ 18:00 Technical Training 18:00 ~ 19:30 懇親会
参加対象: Dispel 製品・サービスにご関心をお持ちの営業担当、技術担当のかた
場所: TKP 品川カンファレンスセンター
主なアジェンダや講演内容
1日目 ビジネス推進 – セールス&戦略立案
セッション①:市場・業界の理解
Dispel の紹介
Dispel のメッセージとポジショニング
IT/OT 融合とデジタル変革の理解
セッション②: IT と OT の違い
ペルソナ / エンドポイント / リスク / コストの違いについての議論
組織への提案 / 販売時に、 IT/OT の違いを理解することが重要な理由
OT (運用技術)特化のツールが、なぜより高い効率をもたらすのか
セッション③:競合分析と価値提案
- Dispel ソリューションの概要( SRA 、データストリーミング)
- 競合製品の分析
- Dispel の差別化要因の理解( VPN と Dispel の違い、 PAM と Dispel の違い、その他 SRA ツールとの比較)
- ROI (投資対効果)の算出、財務的 / 運用的なメリットの可視化
セッション④:顧客のペインポイントと市場ニーズの特定
顧客の課題を特定する方法
ペインポイントを引き出すための適切な質問の仕方
参加者への質問 : ペインポイントの引き出し方について
ステークホルダーマッピング : 市場ごとの違い、主要ユーザー、意思決定プロセスの理解
セッション⑤:営業プロセスの理解
営業プロセスの全体像の把握 : リード創出からクロージングまで / 本研修の目的の明確化
ステークホルダーマッピングを活用した OT および IT キーパーソンとのエンゲージメント
経営層への提案 :Dispel の価値をビジネス目標に結びつけて伝える方法
セッション⑥:ワークショップ潜在顧客の特定
Dispel に適している企業を想定し、参加者同士のチームでユースケースを検討しました
2日目 テクニカルトレーニング
セッション⑦:価格戦略と提案書の作成
Dispel の価格モデルの理解
顧客ニーズとプロジェクトの範囲を把握するための適切な質問の仕方
カスタマイズされた価格提案の構成と提示方法
SaaS モデルにおける販売戦略の理解 ( マージンの整合性 )
セッション⑧:標準的な展開モデル
a.Dispelの接続フロー
b.主要コンポーネントの概要
リージョン(Region)
ウィケット(Wicket)
VDI(仮想デスクトップ)
ダッシュボード(Dashboard)
c.各コンポーネントの接続構成
d.Dispelを特別にしている標準搭載機能
すべてのプロトコルおよびポートに対応
詳細なログ取得機能
パスワード保管機能(パスワードボールド)
データストリーミング(セキュアなファイル転送)
各種セキュリティフレームワーク / 認証取得
セッション⑨:カスタマイズされた導入シナリオ
a.お客様1-一般的導入構成
b.お客様2-カスタマイズ オプション
c.お客様3-カスタマイズ オプション
セッション⑩:新機能 スニークピーク
Dispelの最新機能とロードマップのご紹介
立食懇親会
講演の様子①
Head of Operations: Fred Chang
講演の様子②
Partner Manager: Chris McCormick

講演の様子③
Technical Lead: Mizuho Stacy

懇親会での挨拶の様子
Co-CEO: Ethan Schmertzler

参加者のリアルな声や反応、コメントまとめ
今回ご参加いただいた方々の声や反応を一部抜粋して紹介します。
製品理解や魅力について大変満足いただいたブートキャンプ(勉強会)になりました。
またコメントでは以下のような参加者のリアルな声もありました。
▼コメント抜粋
Wicketに様々なユースケースがありそうで可能性を感じています。
セキュアにOT環境に接続(MTD)、録画機能、コンプライアンス
ゴールデンイメージやRDPファイルのコピー防御等、セキュリティを高めながらアクセスしやすいコンセプト
まだまだご紹介したいコメントもありますが、書ききれないので、気になる方はお問い合わせください!
ブートキャンプ(勉強会)まとめ
今回の勉強会では、OT環境におけるリモートアクセスの課題と、それに対するDispelの具体的なソリューションについて、参加者の皆様と深く共有することができました。
「VPNのセキュリティが不安」、「もっと現場にフィットする仕組みが必要」──そんな声に対して、Dispelがどのように応えていけるのか、実感いただけたのではないかと思います。
セキュリティと利便性を両立し、現場の業務効率を高めるDispelの仕組みは、今後ますます注目されることが予想されます。
テクマトリックスでは、今後もこうした勉強会を通じて、現場の課題に寄り添った情報発信を続けていきます。
Dispelの導入に関するご相談や、より詳しい技術情報の提供も行っています。
ご興味をお持ちの方、OT環境のセキュリティや運用効率に課題を感じている企業様向けに説明会や勉強会も可能ですので、ぜひお気軽にテクマトリックスにご相談下さい!